豪栄道も撃沈 白鵬の“エルボー”に日本人大関やられっ放し
「今場所が終わったような感じだね」
中継を解説する北の富士(元横綱)も、思わずそう呟いた。
12日目は1敗同士の白鵬(31)と豪栄道(29)が対戦するも、横綱に軍配。その直後、やはり1敗を守っていた稀勢の里(29)が日馬富士にはたき込まれ、優勝戦線から後退。ファンのため息が館内にむなしく響いた。
これで1敗の白鵬は単独トップとなり、13日目は同じモンゴル人横綱の鶴竜。14日目と千秋楽は琴奨菊と日馬富士が濃厚とあれば、白鵬の優勝を疑う者はいない。北の富士が嘆くのも当然だ。
それにしても情けないのが日本人大関たちだ。この日、豪栄道は立ち合いから白鵬の常套手段ともいえる「左の張り、右のかち上げ」のコンビネーションをまともに食らい、ひるんだところを一気に押し出された。11日目の稀勢の里も同様のワンツーで沈んでいる。
もはや「かち上げ」とも呼べない白鵬のエルボーだが、毎度同じ手でやられる方もどうかしている。大関殺すにゃ技術はいらぬ、ヒジの一つもあればよい――。相撲がつまらなくなるわけだ。