危なげなく2連勝も 琴奨菊がすすぎたい“ガス欠力士”の汚名
綱とりを目指す大関琴奨菊が危なげない相撲で2連勝。嘉風を押し出して、「いい相撲だった」と自画自賛した。
場内からの大歓声にも「冷静に自信をもってやれている。やるべきことをやっているから」と話したが、角界では綱とりを不安視する声が少なくない。関係者が言う。
「問題は中日以降でしょう。初場所で日本出身力士10年ぶりとなる優勝を飾って、各方面から引っ張りだこ。東京と故郷の福岡で2度も結婚披露宴をやり、同じく2度のパレードにテレビやイベント出演、各種取材依頼も200件を超えて、完全オフはわずかに1日しかなかったというからね。当然、稽古も満足にできず、今月7日の出稽古が初場所から初めての実戦的な稽古だった。筋力トレーニングは続けていたとはいえ、スタミナ面が心配だ。そもそも、ガス欠力士の汚名があったんだから」
確かに、8日目以降の後半戦で失速するのが、いつものパターンではあった。大関に昇進した11年九州場所から先場所までの23場所(途中休場した3場所を除く)を見ても、7日目までの勝率が.689なのに対し、8日目以降は.500とガクッと落ちる。後半戦で上位陣と当たることを差し引いても、不安なデータである。
98年の3代目若乃花以来となる和製横綱の誕生を期待するファンは、最後の最後まで気が抜けない。