<第1回>ドジャースでは計40人ものクビが飛んだ
メジャーはいま、スカウト受難の時代だ。
アスレチックスのビリー・ビーンGM(54)は、選手の実力を数値化して評価。いわゆるセイバーメトリクスを用いてプレーオフ常連の強豪チームをつくり上げた。同GMの手法を描いた小説「マネーボール」はベストセラーになり、映画化もされた。アスレチックスのように数字を重視したチームづくりをする球団が増えているのだ。
最たる例がドジャースだ。
14年10月、アンドリュー・フリードマン(39)が編成部門の取締役に就任。ウォール街の投資銀行出身という異色の経歴ながら、弱小球団だったレイズを強豪に変えた実績を評価され、5年総額約40億円という破格の待遇で迎えられた。
フリードマンとともにそれまでアスレチックスのGM補佐、つまりビーンGMの下で働いていたファーハン・ザイディ(39)をGMに据えた。
2人がドジャースの編成部門を仕切るようになったことで、結果として大ナタを振るわれたのがスカウト部門だ。フルタイムとパートタイムを合わせて計40人ものクビが飛んだと聞いた。