ソフトB復帰後初勝利の和田に指揮官が託す“本当の役割”
誰にでも出来ることではない。
12日の西武戦で、ホークス復帰後初勝利を手にしたソフトバンクの和田毅(35)。六回に中村のソロを浴びるも、6回6安打2四球1失点と役割を果たした。
その和田とバッテリーを組んだのが高卒6年目の捕手、斐紹(23)。開幕から6試合に先発マスクをかぶっているが、決して工藤監督の信頼が厚いわけではない。むしろその逆、「育成の必要があるから、試合に出してもらっている」と言うのが正しいだろう。
斐紹がこれまで先発バッテリーを組んだのは、左腕の和田と右腕の摂津(33)が3試合ずつ。いずれもベテラン投手だ。
思えば、工藤監督もダイエー時代に若手捕手相手に投げていたことがある。相手は後に球界屈指の捕手になる城島だ。城島が入団3年目の97年に一軍に抜擢されると、工藤監督や武田一浩(現評論家)といったベテラン投手がバッテリーを組んだ。これは「経験豊富な一流投手に、厳しく育ててもらおう」という王監督(当時)と若菜バッテリーコーチ(同)の考えだった。斐紹を育てたい工藤監督は和田と摂津を教育係に「任命」したのだ。