頭を抱えるテレビ局…五輪ゴルフ競技は中継に最も不向き
現在、地上波で男子ゴルフ中継が決まっているのは大会3日目(8月13日)の日本テレビ系だけ。NHKに問い合わせたところ「おおまかな放送計画は6月にならないとわかりません」(広報部)という回答だった。
「そもそも、112年ぶりに復活が決まった時点で、ゴルフほどテレビ中継に不向きな競技はないという声があった」と、元NHKスポーツプロデューサーの杉山茂氏がこう続ける。
「ゴルフは朝から夕方まで行われ、決着がつくまで4日間かかります。雨や雷でプレーが中断することもあるし、人も機材も多数必要です。国際映像は米NBCが撮影し、日本のテレビ局が中継することになりますが、番組作りは大変だと思います。完全中継する国があるのか、それともダイジェストにするのか。五輪28競技中で最も厄介な競技です。たとえば近代五種は五輪に生き残るために5日間から1日に競技時間を短縮しました。1日がかりのトライアスロンも五輪では2時間程度で行われます。すべてはテレビ向けに魅力的なスポーツにするためです。そういう意味ではゴルフが時代に逆行しているのは間違いなく、魅力的なコンテンツではないのです。IOCが求めるスピーディーかつエキサイティングな競技ではありません」
五輪でゴルフ競技が行われるのはリオ大会と2020年東京大会だけで、その先は未定。金メダルが決まるまで4日間もかかる競技は世界のトッププロだけでなく、テレビ局も嫌がっている。五輪に最も不向きな競技がゴルフであることを、世界中に中継するだけで終わりそうだ。