大谷170キロと桐生9秒台 「夢の記録」達成は可能なのか
1週間前にプロ野球最速の163キロをマークした大谷翔平(21=日本ハム)が、またしてもファンの度肝を抜いた。
12日の阪神戦。「5番・投手」で出場した大谷は163キロを計5度も記録。初回に3球、三回と五回にそれぞれ1球ずつマークするなど、計107球中31球で160キロ超えを計測したのだ(7回を3安打無失点で5勝目)。
メジャーではアロルディス・チャップマン(28=ヤンキース)がレッズ在籍時の11年4月、パイレーツ戦で171キロをマークした。現時点ではこれが「人類最速」といわれるが、奇しくも身長はチャップマンと同じ193センチ。3球に1球に近い割合で160キロをマークする大谷は、はたして170キロの球を投げられるのか。
「物理的には可能だと思いますね」と、常葉大学健康プロデュース学部教授の田中誠一氏はこう言った。
「160キロ以上が31球もあって、163キロを何度も計測したことから考えれば、彼は全力投球はしていないと思う。おそらく80~85%程度の力でしょう。全力投球を続けたらとてもじゃないが、7回、107球も投げられませんよ。どこに投げても構わないから、とにかく思い切り投げろと言えば、いま以上に速い球は投げられるはず。野球に必要な骨格筋には瞬発系の白筋と持久系の赤筋があって、彼の場合は生まれつき白筋の占有率が高いのでしょう」