清宮だけじゃない 逸材ゴロゴロの早実に厳格「学力基準」
■選手をいじらないのが監督のモットー
しかし、必ずしも環境や指導者に恵まれているわけではない。夕方までみっちり授業があり、国分寺市内の学校から八王子市内の専用グラウンドまでは電車を乗り継ぎ、約1時間をかけて移動。そのため、練習時間は短い。平日は3時間弱。足りない分は各自が自主練習で補うという。
王貞治記念グラウンドは、両翼93メートル、中堅120メートル。外野は人工芝が張られた専用グラウンドで、室内練習場、ブルペン、2階建てのクラブハウスも完備。クラブハウスにはシャワールームなどもあって宿泊が可能。大会中はここに泊まり込んで出陣しているというものの、恵まれた施設を生かす時間がないのが実情だ。
和泉監督の手腕に関しては、前出の早実OBがこう言った。
「ああだこうだと選手をいじらないのがモットー。投手も打者もです。自主性重視というか放任主義。昔、ある打者が『足を上げて打ってみたら』と監督に助言されて本塁打を打った。でもその後、極度のスランプに陥ってしまい、『やっぱり上げるのやめようか』なんてことはありますが、基本的にはめったにない。采配や選手起用は至ってオーソドックス。ただ、成績が悪いと補習があって練習に出られないことがある。補習は練習後の時もあって、成績が悪いヤツは補習漬けになってレギュラーから陥落することもあります」