ドーピングで欠場続出 男子重量挙げ32年ぶりメダルに順風
五輪で久々に脚光を浴びそうだ。84年ロサンゼルス五輪で3人の銅メダリストを輩出したのを最後に表彰台から遠ざかっている男子のウエートリフティング代表である。
18日に都内での合宿を公開。56キロ級の高尾宏明(24=自衛隊)、62キロ級の糸数陽一(25=警視庁)、同級の中山陽介(29=笛吹市役所)が約1時間、汗を流した。
日本代表男子の小宮山哲雄監督は期待する選手に糸数(世界ランク10位)を挙げ、「まずは確実に入賞を狙い、メダルを目指します」と断言。4月のアジア選手権を制して代表権を勝ち取った糸数は「調子は上がってきている。(ジャークで)170キロ挙げれば、世界も見えてくる。(スナッチと合わせて)トータル300キロ以上ならメダルも狙える」と自信たっぷりに話した。
それも当然で、日本には追い風が吹いているからだ。ここにきてウエートリフティング界は陸上同様、ドーピング問題で揺れている。昨年11月の世界選手権(米国)だけでも、18人もの失格者が出た。
国際重量挙げ連盟(IWF)はロシア、カザフスタン、ベラルーシの3カ国を資格停止とし北朝鮮、アゼルバイジャン、モルドバはリオ五輪の出場枠をそれぞれ2枠削減された。糸数の階級では昨年の世界選手権を制したキム・ウングク(北朝鮮)ら有力選手が出場できない見込みだ。
小宮山監督によればトップ選手が欠場する上に「五輪は確実性を求める傾向が強いため、海外勢はそれほど(重量を)挙げてこないはず。糸数も十分に対抗できる」という。警察官リフターは思惑通りに表彰台に立てるか。