広島と巨人で四球差100以上 「意識の差」と高橋善正氏
29日のヤクルト戦に3-1で勝ち、首位広島とのゲーム差を9に縮めた巨人だが、依然として打撃成績にも大差がある。
広島は同日のDeNA戦で3-19の大惨敗。筒香に2本塁打を浴びた先発の野村をはじめ、投手陣がメッタ打ちに遭ったものの、チーム打率、得点、本塁打、盗塁でリーグトップ。巨人との差が特に顕著なのが四球数である。広島の四球数は345でリーグ1位。対して巨人のそれはセで最少の235とあって、「チーム打率、本塁打もさることながら、100以上も違うこの四球の差は大きいね」と評論家の高橋善正氏がこう言う。
「今年の広島打線はとにかく後ろにつなぐ意識が徹底されているように思う。カウントを追い込まれると、ボールを引き付けて右打ちし、最悪でも走者を進めるという打撃にみなが切り替える。ボール球に手を出さず、ファウルで粘り、そのうえでの進塁打。投手からすれば実に嫌な打線でプレッシャーがかかる。四球の多さは、チーム打撃に徹する各打者の意識の高さが根拠になっているわけです。巨人は選手個々の能力頼み。調子がよかったり、相手投手のレベルが落ちたりするとかさにかかって打つが、1点勝負という試合でその1点がなかなか取れない。四球の数に、打線の淡泊さが見て取れる。四球数の差は、チームの意識、選手の意識の差でもあると思います」
巨人打線の状態を考えれば、広島はゲーム差以上の余裕を持っているはずだ。