体操女子個人総合8位 寺本明日香“グラム単位”の自己管理
52年ぶりの快挙だ。
11日に行われたリオ五輪体操女子個人総合の決勝で、寺本明日香(20)が8位入賞(57.965点)を果たした。この種目で日本勢が入賞するのは、1964年の東京五輪で6位に入賞した池田敬子以来。試合後「昨年(世界選手権9位)の悔しさを晴らしたいと思っていた。自分の演技をやり切れて、この結果に満足」と晴れやかな表情で話した。
寺本は140センチ、32キロと“世界最小”クラス。その小さな体は少しの変化も大きく感じ取る。500グラム増えただけで動きやキレが悪くなり、減ると跳躍時の感覚が狂ってうまく跳べなくなるという。そのため毎日10回は体重計にのって細かく体重を管理。万全の状態で試合に臨む。
リオでは、その自己管理にも狂いが生じた。リフレッシュするために日本から入浴剤30日分を持参したが、選手村の部屋に湯船が付いていなくて「全部パーになった」と肩を落としていた。
団体ではキャプテンとしても後輩たちを引っ張ってきた寺本はこの日、「今後は1回休んでリフレッシュしたい」とコメント。団体を4位で終えた9日(日本時間10日)には「東京五輪については考えていない。私を実力で抜かしてくれる子がいれば。キャプテンという仕事も後輩に伝えていかないといけない」とリオで競技人生に一区切りつけることを明かしていた。
寺本の後を継ぐ、小さな大黒柱は誰になるのか。