マリー撃破で錦織が全米4強 勝因は驚異の“メンタル制御”
さらに塚越氏は、「ファイナルセットにメンタルの強さを見た」と言う。
「第5セットの第8ゲーム、40-0から追い上げられて、決まったと思ったボレーがネットを越えずジュースになった。このゲームをブレークされた時、女子シングルスの3回戦で敗退した大坂なおみの試合を思い出した。大坂はボレーミスを機に勝てるゲームを落とした。錦織もズルズル行くかと思ったが、そこは昨年世界ランク4位まで上がった選手です。これまで何度も悔しい思いをしてきた経験が生き、精神面をコントロールできていた」
つづく第9ゲームはキープされるが、その後の3ゲームを連取して金星を挙げた。決して焦らず、ボレーやドロップショットを多用し、今は世界一の実力者といえるマリーを追いつめた。9日の準決勝は、スタン・ワウリンカ(31=スイス)と対戦する。
▽錦織のコメント
「長かった。出だしはよくなくてミスも多かったけど、冷静にやろうと思った。特に第4、5セットは感覚がすごくよかった。長いラリーもこらえるように心掛けた。(試合再開後は)コーチと話し合って戦術を変えたのがよかった。大好きなグランドスラムで準決勝に残れたのはうれしい」