防御率タイトル目前も ヤンキース田中将大に足りないもの
初の栄誉が目前に迫っている。
ア・リーグトップの防御率(3.07)をキープするヤンキースの田中将大(27=31試合14勝4敗)。2位のレッドソックス・ポーセロ(3.11)、3位のブルージェイズ・サンチェス(3.12)らライバルの今後の登板次第とはいえ、田中はメジャーでは自身史上初のタイトルホルダーになる。
今季の田中はチームの先発陣でただひとり、開幕からローテーションを守った。打者有利とされるヤンキースタジアムで15試合に登板し、一時は防御率2点台をキープするなど、チームが低迷する中、孤軍奮闘した。一時は複数の米メディアがサイ・ヤング賞の有力候補に挙げるなど、メジャー3年目にして一定の評価を得たとはいえ、物足りない部分もある。
エースでありながら、今季の完投は0。例えば最優秀防御率を争うポーセロは22勝(4敗)して2完投。サイ・ヤング賞候補であるインディアンス・クルーバーは3試合で完投している。
ここまでの田中の投球回数は199回3分の2。残り3分の1回で、一流投手の証しとされる大台に到達するとはいえ、投球回数もア・リーグの好投手と比べて少ない。ポーセロ(32試合で217回)、ホワイトソックス・セール(30試合で214回3分の2)、タイガース・バーランダー(32試合で213回)と各球団のエース級を下回っている。