ド軍崖っぷち 前田黒星で露呈したベンチのシビアな信用度
初のポストシーズン登板で、いつも以上に慎重にいこうという意識はあったに違いない。
1勝1敗のタイで迎えたナ・リーグ地区シリーズ第3戦。ドジャースの先発・前田健太(28)は3回5安打4失点で降板した。前田はコントロールの良さが身上。立ち上がり、内外角の際どいコースを狙ったが、ことごとくボールに判定された。初回、2者連続四球で2死満塁のピンチを招くと、早くも三塁側ベンチからハニーカット投手コーチがマウンドに足を運んだくらい。一転してストライク先行の投球を心掛けるも、ナショナルズの中軸は甘い球を見逃してくれない。
三回、5番・レンドンの2ランを含む4本の長短打を浴びて4失点。捕手・グランダルが高めに要求した球が、いずれも中途半端なベルト付近へいって痛打された。初回の援護を生かせないどころか、貯金を一気に吐き出してしまった。前田は直後の攻撃で代打を送られ、この回限りでマウンドを降りた。
3回、わずか63球。ポツンとベンチの右端に座った前田は、しばらくの間、うなだれたままだった。