年俸下位球団がPOで大健闘 大リーグ“下剋上”続出の理由
ビンボー球団の健闘が目立つのが今年のア・リーグ地区シリーズだ。
日本時間11日はインディアンスがレッドソックスに3連勝、リーグ優勝決定戦に駒を進めた。年俸総額が30球団中27位のインディアンスが、4位のレッドソックスを3タテしたのだ。インディアンスとリーグ優勝をかけて戦う年俸総額12位のブルージェイズも、5位のレンジャーズに3連勝した。メジャーの頂点を決めるプレーオフで「下克上」が頻発しているのはどうしてか。
「フロントのチームづくりでしょう。特に今年はドラフトと育成を重視するチームの健闘が目立ちますから。ただ、プレーオフの分配金が選手のモチベーションになっているのは間違いありません」と、スポーツライターの友成那智氏がこう言った。
「メジャーではプレーオフに進出した10球団に結構な額の分配金が出るのです。昨年のワールドシリーズを制したロイヤルズは1人当たり約37万ドル(約3800万円)、リーグ優勝のメッツは約30万ドル(約3100万円)、初戦のワイルドカードゲームで敗退したヤンキースにしても約1万4000ドル(約150万円)が出ています。プレーオフの入場料収入のうち一定の割合を、成績に応じて分配しているのです。例えばインディアンスの主力には、年俸がメジャー最低保障の6000万円弱に満たない選手も多い。彼らにしてみれば、分配金は結構な金額なのです。それに分配金はチームの選手会の裁量で分配の仕方が異なる。マイナーと行ったり来たりの選手でも、チームによっては分配金を満額もらえるケースもありますから」