日ハム大谷 圧巻ピッチングの裏に“投手より野手”の首脳陣評
それでも球団内部で大谷の投手としての評価は野手としての評価より低いという。
投打の二刀流が看板の大谷がシーズン中、約2カ月間も先発から遠ざかった時期がある。得点力不足に泣いた打線から大谷を外せなかったのが主な理由だが、「どちらかと言えば、投手としての能力より野手としての能力の方が高いと、少なくとも栗山監督以下の首脳陣はそう判断したと聞いています」と、さる日本ハムOBがこう続ける。
「投手も野手も重要なのは修正能力、フォームが崩れたり、状態が悪いときに現状を正確に把握して、それを修正する能力がアスリートには求められる。大谷の投手としての修正能力だけを見たら並でも、打者としての修正能力は桁違いだと首脳陣は見ているそうです」
このOB氏は「大谷はそんな評価をポストシーズンの大一番で覆したかったのではないか」と話す。この日は8番打者として2打数1安打。五回は先制を呼ぶ中前打で大量点をお膳立て、続く六回にはプロ初の送りバントも決めた。
指名打者を潰しての起用にこたえたものの、自分は打つだけではない。マウンド上から強豪をねじ伏せることだってできる。投手としての意地を見せたいという気概が、この日の快投につながったというのだ。