2ケタ勝利ゼロに危機感 中日森監督が狙う“投手王国”復権
選手が宿舎に戻ってきたときには、すっかり日が暮れていた。
26日にスタートした中日の秋季キャンプ。新任の土井打撃コーチら4コーチが加わり、約4週間、5勤、6勤、6勤のハードスケジュールが組まれている。
若松ら21~26歳の若手投手で構成された沖縄組は、森監督が「もっと出てきてもらいたい若手には、朝から晩までとことんやってもらう」と予告していた通り、早速、猛練習を行った。
朝から投球、守備練習にみっちり取り組んだ後が長かった。夕方4時ごろから球場施設内のトラックでランニング。ひたすら走って練習終了かと思いきや、選手は球場近くの施設に移動してプールトレ。これもあくまでクールダウンにすぎず、最後は宿舎までの約5キロを走って帰った。この日の沖縄の最高気温は30度。暑さも加わり、ただでさえ足の筋肉がパンパンに張った選手は、宿舎に帰ってきた時にはグッタリである。
■猛練習これからが本番
森監督は就任時、「ベテランに追いつこうとしている連中が全員、10%アップを考えて底上げしないと、このままでは無理」と話し、キャンプでは基本を徹底する方針を打ち出した。今季の中日は2ケタ勝利を挙げた投手が皆無で、規定投球回に到達した選手もゼロ。これは中日にとって、2リーグ制以降、初めての不名誉記録となった。