竜ドンデン返し人事の裏側 森新監督&落合GMに“鉄の結束”
名参謀は、いつもと変わらぬ姿で登壇した。オールバックになでつけた髪、薄く色の入ったお気に入りの眼鏡。濃紺のピンストライプのスーツに薄紫のシャツと同色のネクタイを合わせ、「晴れやかなものはない。やらないといけないことはたくさんある。1つずつ片づけていく」とドスの利いた声で語り出した。
来季の新監督就任が決まった中日の森繁和ヘッドコーチ(61)は、その迫力ある風貌から球界随一の“コワモテ”と評されるが、実は他球団にも信奉者が多い。
「風貌が風貌だし、物言いもきつい。怒鳴り、脅し、突き放しながら、しかし、最後まで面倒を見る。精神面のフォローは特にきめ細かく、プライベートな問題でも肩を抱いて相談に乗る。11年に一度、中日を退団した際には、一軍と二軍の全投手が集まって送別会を開き、会の最後にはほとんどの選手が泣いたというからね。西武時代の恩師で、今はハワイに住んでいる森(祇晶)元監督が帰国すると聞けば、帰国便を調べ、到着時間に合わせて電話を入れる。コワモテの見た目からは想像できない、きめ細かさも持ち合わせている。古巣の西武から日本ハム、横浜、中日とコーチとして26年のキャリアを誇り、教え子と信奉者が球界に散っている。その人脈も彼の大きな武器。そんな森を頼りに頼ったのが、中日のGMであり元監督の落合(博満)だよ」(球界OB)