3敗で綱取り絶望…豪栄道が回避した“短命横綱”からの引退
むしろ「負けてよかった」という声すらある。
日本人大関同士の対決となった11月場所9日目。2敗の豪栄道(30)はクビの皮一枚で綱とりの望みをつないでいたが、「これ以上負けられない」という焦りがあったのだろう。稀勢の里相手に雑な相撲で攻め急ぎ、土俵際で逆転の突き落としを食らった。
優勝争いから脱落する3敗目とあっては、綱とりもジ・エンド。しかし、長い目で見ればこれでよかったのではないか。
豪栄道は大関13場所で、2ケタ勝利は先場所の全勝初Vを含めてたったの2回。カド番は4回もある。これでは横綱に昇進したところで、安定した成績を残すのは難しい。「ダメ大関」と呼ばれた力士に限って、短命横綱に終わった例もある。
73年、79年に昇進した琴桜と三重ノ海は、いずれも横綱在位わずか8場所で引退せざるを得なかった。横綱は大関と違ってカド番制度に頼るわけにもいかず、休み休み相撲を取っても成績が振るわなければ世間から非難され、引退に追い込まれる。求められる内容と結果は大関の比ではない。