「読売」を連呼 巨人入団決定の山口俊“忠誠心”はエース級
DeNAからFA宣言し、巨人入りを決めた山口俊(29)が2日、都内で報道陣の取材に応じた。
中日との争奪戦だったが、「決め手? 正直、どちらの球団からも最大限の評価をしていただいたが、一番に手を挙げてくださったのが読売さんだったので」と説明。「読売の山口俊と言われるように頑張る」と決意表明した。
なぜか、「巨人」ではなく、「読売さん」「読売」と連呼する姿に報道陣は苦笑いだったが、親会社を喜ばせる抜け目のなさは伝わった。
入団にあたり、周囲に「巨人って何がダメなの?」とヒアリングしていたという山口俊。茶髪や長髪、ヒゲなどが禁止されていると確認した上で、この日の朝に長めの髪をバッサリ切り、色も黒くした。「決めた以上は一日も早くチームカラーにふさわしい格好にしないといけないので。今日行きました」と、サッパリした青年風ルックで登場。73年に日本ハムの前身である東映から巨人へトレード移籍した経験がある評論家の高橋善正氏がこう言う。
「問題は身なりではないんです。私がトレード移籍した時にも感じたが、巨人独特の雰囲気の中で自分を貫けなくなることが一番怖い。そういう性格じゃなくても、他人の目が気になりだした。いつもやっていたことができなくなる。球場へ向かう電車の中で堂々と競馬新聞を広げていたものが、一般紙を外にカバーのようにして読んだりね。そういうことがストレスになった。巨人のチームカラーに合わせなきゃいけないと思ったのを覚えている。トレード移籍の私ですらそうなる。注目度が高いFA選手ならなおさらでしょう。期待される重圧や周囲の目が気になり始める。成績がいいから声が掛かったわけで、必要以上に迎合することはない。成功のカギはいかに自分を貫けるかになると思います」