早実清宮を指名予告 ハム栗山監督に“ポスト中田”育成計画
「相棒」というより「後釜」だろう。
日本ハムの栗山監督が優勝旅行先のハワイから帰国早々、「清宮のクジはオレが引く!」とその気になっている。
17日、成田空港で取材に応じた指揮官は来季のドラフトについて言及。早実の清宮幸太郎(2年)を1位候補に挙げ、「巨人の王さんと長嶋さんのように、強いチームには軸がある。中田ともう一人、軸が欲しい」と話した。当然、清宮は他球団も狙っている逸材。競合の可能性は高いが、何としても清宮が欲しいという意思表示と思われる。
もっとも、中田は順調なら来季国内FA権を取得する。年俸2億8000万円の高給取りを引き留めるためには莫大な資金が必要。素行に顔をしかめるフロントや首脳陣も多いというから、移籍は確実だ。つまり、清宮は中田とコンビを組むのではなく、あくまで中田の後釜ということ。ただでさえ大谷も近い将来、ポスティングを行使してメジャーに移籍予定とあっては、なおさら清宮が必要なのだ。
「中軸を担っていた長距離打者が2人もいなくなれば、戦力は大幅にダウンする。日ハムは数年前から日本人の大砲を育成しようとしていたが、いまも難航中。二軍にホームランバッタータイプは皆無ですからね。確かに和製大砲不足に嘆く球団は多く、ドラフトで競合は必至。それでも指揮官が清宮を高く買っている以上、指名するのではないか。近年は栗山監督の意向がドラフトに強く反映される。クジで外したとはいえ、今年と昨年の1位指名、田中と高橋(いずれもソフトバンク)は栗山監督の強い要望があってのことだと聞いています」(球団OB)
ただし、清宮は早大に進学する選手の多い早稲田実業だ。82年にヤクルトから1位指名された荒木大輔のように直接プロ入りする者がいないわけではないが、ごく少数。栗山監督の熱意はクジ引き以前に“空振り”に終わるかもしれない。