引っ張り専門から進化 早実・清宮「左翼へ78号」の価値
早実(東京)の清宮幸太郎(2年)が2発を放ち、高校通算を78本塁打に伸ばした。
20日、磐城(福島)の野球部創部110周年記念試合に「3番・一塁」で出場。三回の2打席目に内角低めの直球を右翼席へ77号を放り込むと、六回の4打席目には左投手の外角高め直球を左越えに78号を放った。
これだけ打っていながら、逆方向への一発はまだ2本目。試合が行われた「いわきグリーンスタジアム」は、両翼100メートル、中堅122メートルで、プロ野球も開催される球場だ。清宮は「なかなか出ない当たり。全然入ると思わなかった。自信になった」と珍しい本塁打に頭をかいた。
DeNAの筒香と比較されることが多い左の大砲ながら、元横浜高の小倉清一郎氏は日刊ゲンダイで連載中のコラムの中で「教え子の筒香は、タイミングの取り方が悪かったことや、故障していた時期があり、通算69本塁打にとどまったが、広角に大きい当たりが打てた。清宮は引っ張り専門なのが気になる。これから清宮はさらに勝負を避けられる場面が増えてくる。仮に勝負でも外角一辺倒になる。外を逆方向へ飛ばす打ち方を覚えた方がいい」と指摘している。年内最後の対外試合で、流してもブチ込める「自信」を得たことは、清宮にとっても早実にとっても大きい。