大関撃破に続き横綱から初金星 平幕・御嶽海はどんな力士
新春の国技館に座布団が舞った。
土俵の中央で勝ち名乗りを受けたのは、出羽海部屋の平幕・御嶽海(24=写真円内)。初日の豪栄道に続き、この日は結びの一番で日馬富士を寄り切った。
「座布団が舞うところは初めて見ました」と、自身初金星にニンマリだ。東洋大で学生横綱に輝き、幕下付け出しの資格を得て、初土俵は15年3月場所。同年11月場所には早くも新入幕を果たすと、先場所は小結と着実な進歩を見せている。
ある親方は「基本的には突き押しの力士」と、こう続ける。
「御嶽海は常にヒザを曲げているので、下半身の粘りや安定感は抜群。攻め急いで体が伸びきる心配もないので、投げや引き技を食いにくい」
この日も日馬富士の上手投げを何度もこらえた御嶽海。土俵際に追い詰めると中腰のままおっつけて、そのまま寄り切った。
「相撲技術は未熟だけど、下半身の強さと突進力だけなら幕内上位にも通用する。学生相撲の取り口が抜けないのか、立ち合いの変化が少なくないのが玉にキズですが……」(前出の親方)
フィリピン人の母を持ち、尊敬する力士は同じく突き押しを得意としていた武双山(現藤島親方)。悪癖さえ修正すれば、上位も狙える。