併殺崩し禁ずるプロ野球に「魅力半減」と名二塁手が苦言
また大リーグの「コピペ」だ。
プロ野球の公式規約に、併殺崩しの危険なスライディングを禁止する項目が追加された。大リーグでは昨季に導入された規定で、それを受けて日本でも採用。本塁での捕手と走者の危険な衝突を防ぐ「コリジョンルール」に続く輸入規則となる。
このコリジョンは物議を醸した。公式戦では5月に初めてこのルールが適用され、6月の交流戦(西武対広島)では捕手が走路を妨害したと判定されてサヨナラゲームが成立した。試合の展開を大きく左右する判定が出てきたことから、シーズン途中に再び適用基準を変更する事態となり、すこぶる不評だ。
どちらも故障者を減らすための規則だが、二塁の名手だった評論家の山崎裕之氏は「野球の魅力がなくなり、選手としての技術も低下する」と警鐘を鳴らす。
「アウトのタイミングでも巧みなスライディングで生きるのがプロの技術、体をめがけてのスライディングをかわして併殺にするのもまた守りの技術であり野球の魅力。私も現役時代、一塁走者が突っ込んできたときのために、右足を三塁側に出すか、中堅側にサイドステップするかという練習をよくしたものです。事前に走者にステップ方向を悟られない動きや危険なスライディングをよける練習も欠かせなかった。“こういう時代”になってしまったと言えばそれまでですが、何でも『ケガにつながるから』と禁止にするのは疑問です」