新コース「東京マラソン」の注目は外国勢の世界記録
世界記録を狙うアフリカ勢が、5キロ15分のスローペースで走っていては、2時間5~6分台の時計しか出ない。逆に、5キロを14分30秒前後の超ハイペースでは日本選手は誰もついていけないからだ。
ある実業団の関係者が言う。
「キメットが14年のベルリンで出した世界記録のラップを見ると、30キロまでの5キロ平均は約14分36秒。30キロから35キロまでは14分09秒という驚異的なスピードです。高岡寿成(現カネボウ陸上部監督)の持つ日本記録(2時間6分16秒)のラップでさえ、30キロまでは平均約14分49秒です。今では2時間7分台の記録さえ難しい日本勢にとって、2時間2分台はまさに異次元。キプサングは今回、『東京で世界記録を狙う』と言っている。賞金稼ぎの彼にとっては魅力のあるコースだからです。ペースメーカーの走力にもよるが、今年はコース変更により、30キロからは日比谷通り、第一京浜を下り、品川駅手前で折り返す。道幅は広く、アップダウンがほとんどない。マラソンは気温や天候にも影響を受けるが、終盤に記録更新への気力とスタミナが残っていれば面白い」
歴史的瞬間に立ち会えるか……。