改めて考えた…WBCは何のため、なぜこの時期に行うのか?
ここまでの強化試合は1勝2敗。戦力以外の懸案事項も抱えながら、日本代表は本番に臨むことになる。
そもそもWBCはだれが、どういう目的で、なぜ、開幕前のこの時期に行っているのか。
WBCはMLB(大リーグ機構)とMLB選手会が主催している。「野球の普及」が主な目的とされているが、「あくまで大義名分ですよ」と、アメリカ野球愛好会副代表の鈴村裕輔氏がこう言う。
「サッカーも含めた米5大プロリーグのうち、リーグが国際大会を主催しているのはMLBだけ。それがWBCです。バスケやフットボールシーズンが終わりかけている時期に、国際大会を利用して稼ぎたいのですよ。日本を含めた海外市場で売るテレビ放映権料などは莫大な収入源ですから」
要するにWBCは、MLBとMLB選手会による「商売」のために行われているのだ。ならばなぜ、この時期なのか。
「MLBが選手を拘束できる期間は、2月中旬のスプリングトレーニングから10月下旬のワールドシリーズ終了まで。仮にWBCをワールドシリーズ終了後に行うとすると、選手の年俸や大会の収益から割り当てられる分配金とは別に莫大な費用がかかります。例えばシーズン終了後、日米野球にバリバリのメジャーリーガーを1人呼ぶには1000万円単位のカネが必要になる。なので選手を拘束できるスプリングトレーニング期間中のこの時期にWBCを行っているのです」(鈴村氏)