ライバル国結束 WBC“死の組”はトランプ憎しの米国包囲網
WBC予選ラウンドで「死の組」といわれるC組(米国、ドミニカ共和国、コロンビア、カナダ)が9日(日本時間10日)に開幕した。初日のこの日は連覇を目指すドミニカがカナダと対戦、ドミニカの強力打線が15安打で9得点を奪ってカナダを9対2で下し、白星発進した。
この組は優勝候補のドミニカを筆頭に戦力が充実するチームが揃い、混戦が予想される。カナダ以外の3チームはどこが2次ラウンドに進出してもおかしくはないが、実はカナダも含めた3チームが打倒米国で結束している。
それは各チームが発表した米国戦の先発に揃ってエース級を起用することからも明らかだ。10日(同11日)に対戦するコロンビアはホワイトソックスの左腕キンタナ(昨季13勝12敗、防御率3.20)、11日に当たるドミニカはマーリンズの右腕ボルケス(昨季10勝11敗、同5.37)が投げる(カナダは後日発表)。昨季のボルケスは安定感を欠いたが、ドミニカを率いるトニー・ペーニャ監督は「過去2大会連続で出場した経験を評価して米国戦での起用を決めた」と言う。
C組の3チームが共闘するのは米国憎しの思惑で一致しているからだ。隣国同士で強烈な対抗意識を燃やすカナダはもちろん、ドミニカ、コロンビアともトランプ大統領による、中南米系移民への厳しい締め付けに反発。日頃から移民への冷遇を目の当たりにしていることから、米国を叩いて鬱憤を晴らそうというわけだ。
米国はまさに四面楚歌だ。