前頭の蒼国来に万全の対策 白鵬に透ける横綱の焦りと限界
勝ったからといって、だから「強い」とか「横綱らしい」とは限らない。そんな疑問の残る白星を手にしたのが13日の横綱白鵬(32)だ。
初日はまさかの黒星発進。これには相撲協会の尾車理事(59=元大関琴風)も、本紙記者に「白鵬はどうしたんだろうねえ? 何かおかしかった」と首をひねることしきり。足の裏をケガしていることを知らされても、「そうなの? うーん……」と、納得がいかない様子だった。
そして迎えた2日目のこの日、蒼国来との対戦だ。低い立ち合いから相手の体を起こすと、左まわしを取り、土俵外に寄り切った。
初日と打って変わって盤石の相撲に見えるが、気になるのは右肩をぶつけるように当たった立ち合いだ。負けた蒼国来は「立ち合いは腕をこうやって……両方入ろうとしていたけど……」と、もろ差し狙いだったと話した。それを白鵬に封じられたのだ。
■いかに自分が有利な体勢で組むか
評論家の中澤潔氏が言う。
「蒼国来は四つでなければ相撲を取れない力士。つまり、立ち合いで組み止めれば怖い相手ではありません」