世界選手権を試金石に 日本柔道は東京五輪“全階級金”狙い
国際柔道連盟は昨年12月、新ルールを発表。
「有効」が廃止され、5分だった男子の試合時間が1分短縮された。全日本柔道連盟(全柔連)は2日、全日本選抜体重別の結果を受けて、8月の世界柔道選手権(ブダペスト)の代表男女計12選手を発表した。
全柔連はこの大会で金7個以上を目標に掲げている。新ルールが適用される最大の国際大会は、メダル争いと同時に、各国の対応力を見極める場でもある。
日本の柔道は昨年のリオ五輪で金3個を含む、過去最多の12個のメダルを獲得した。「それで浮かれていることはないだろうが、とにかく重要なのは2020年東京五輪の全階級金メダルです。世界選手権での金メダル量産より、惨敗ムードで終わった方が代表全体に危機感が募り、その後はプラスに働くのではないか」と言う関係者もいる。
オール一本勝ちで初代表に選ばれた男子66キロ級の阿部一二三(19)は「東京五輪まで負けなしで行く」と力強く語ったが、2月のドイツでの国際大会でワールド柔道ツアー史上最年少優勝の妹の阿部詩(16=52キロ級)は準決勝敗退で落選。「強い人には自分の柔道が出せない。自分を見つめ直してもっと努力する」と言った。今は敗戦を糧に成長する時期だ。