30年ぶり“初登板ノーノー”逃す 広島ドラ1加藤拓也の素顔
「あ~」
マツダスタジアムにため息がこだました。
広島のドラ1新人・加藤拓也(22=慶大)がプロ初登板初先発した7日の試合で、150キロ前後の力強い直球とフォークボールを武器に、ヤクルト打線を九回1死まで無安打無得点。大記録まであと2人の場面で、バレンティンに三遊間を破られ、快挙を逃した。それでもプロ初勝利を手にした加藤はお立ち台で開口一番、「凄くホッとしています。勝てて良かった」と笑顔。快挙を逃した悔しさより、初勝利の喜びを口にした。
慶応高から慶大。昨秋、外れ外れ1位で広島入りした。「一言で言うとタフ。強い球が投げたいとか、いつもストイックに野球を追究している。シャイな性格だから勘違いされることもある。言葉でナインを鼓舞するタイプではありませんが、物事を理路整然と説明できる頭の良さが彼の武器です」とは慶大の大久保秀昭監督の加藤評だ。
恩師が心配したように、春のキャンプで周囲から変わり者扱い。ある先輩選手には「頭がいいからか、ちょっと理屈っぽいよね。ああ言えばこう言うみたいな。一言多いタイプというかね。鈴木誠也と同じ年?誠也は勉強とは真逆にいる人間。タイプは正反対ですね」と評された。