実は隠れ首位打者 10年目に出てきた広島ドラ1安部の評価
広島は今年4月から来年3月に28歳になる「89年組」がやたらと元気だ。
田中、菊池、丸の1、2、3番トリオに加え、23日のヤクルト戦で先発した野村もそう。そしてこの日、2-2の同点で迎えた五回に決勝の適時打を放ち、お立ち台で喜びを見せた安部友裕(27)も今季、いよいよブレークしつつある。
07年、唐川(ロッテ)の外れ1位で福岡工大城東高(福岡)から入団し、今年で10年目。昨季、自己最多の115試合に出場し、打率.282、6本塁打、33打点と飛躍のきっかけをつくった。
主に右投手が先発時にスタメン出場。規定打席にわずか2打席足りないが、打率・352は現在の首位打者、巨人の坂本の.335を大きく上回る隠れ首位打者として君臨。8盗塁もリーグ3位タイにつけている(数字は23日現在)。
石井打撃コーチが「もともと引っ張ることに関してはいいものを持っていた。今年は内側からバットが出るようになって、ショートの頭を越えるいい打球が飛んでいる。広角に打てるようになったことが率を残せる要因になっている。このままの状態を維持できるかどうかが今後の課題です」と話せば、走塁面に関して玉木内野守備走塁コーチは、「反応よく、ちゅうちょせず走れるのがいいところ。ベンチでもしっかり観察し、研究している。田中、菊池、丸と比べても、走る部分ではヒケはとらないと思います」と言う。
安部は「常に現状に満足せず、チームが勝つことに集中して、自分を戒めることを意識しています」。相手先発が左投手でもスタメンで出られるようになれば、いよいよ本物だろう。