世界卓球界に衝撃 張本智和の成長を前女子監督はどう見た
結局張本は、手足の長い181センチのサウスポーに第4、第5セットも連取されベスト4入りは阻まれたものの、男女を通じて世界最年少のベスト8入りは世界の卓球界に衝撃を与えた。
信じられないスピードで成長を続ける張本について、日本生命女子卓球部総監督の村上恭和氏(前卓球女子日本代表監督)がこう言う。
「13歳の中学生(2年)といっても、身長は171センチで筋肉もできている。小学生の時は背が低く、体が細かった。この2年で身長は20センチぐらい伸びたそうです。昨年から日本オリンピック委員会(JOC)が有望な中高校生を寄宿制で育成するエリートアカデミーにいますが、その前は両親が食事のことをかなり勉強されたようです。メンタルが強く、ラケットタッチが良くても、戦える体がないと世界のベスト8には入れません。2歳から卓球を始めたといっても、トップ競技に参加してからの時間は短い。それでも戦術のうまさ、勝負勘のよさは天才的です。15歳で世界選手権の代表になった水谷も、ソフトなラケットタッチと巧みなボールコントロールで確実に(卓球)台に入れてきた。張本も当時の水谷と同じです。水谷や丹羽、吉村(真晴)は気合が乗るまで少し時間がかかる。張本は瞬時に自らを燃え上がらせることができる。声を出し過ぎでマナーが悪いという声もありますが、あの闘争心は日本代表でナンバーワンです」