名古屋出場を明言 横綱・稀勢の里“起死回生”への選択肢
いつもと違った横綱が見られるかもしれない。
6日、横綱稀勢の里(31)が、7月場所(9日開幕)の出場を明らかにした。
「やると決めて、いつも通りに調整した。集中して一日一番やるだけ」
と自信を見せた横綱。田子ノ浦親方(元幕内隆の鶴)も、「横綱らしい相撲を取らなければいけないと、本人もわかっている」話した。3月場所で負傷した左上半身の状態も、5月場所よりは良くなっているという。
とはいえ、先場所も「もう大丈夫」と判断しながら、途中休場に追い込まれた。上腕二頭筋を損傷している左腕は、先週末の一門連合稽古でも痛みが走ったばかりで不安は残る。
相撲記者は「まさか、まさかですが……」と、こう続ける。
「突っ張りも出るかもしれませんよ。稀勢の里は昔から、愚直なまでの四つ相撲。押し相撲とは無縁だった。でも、いまや四の五の言ってられませんからね。中でも一門連合稽古で2日連続不覚を取った嘉風相手に、得意の左差しは通用しないでしょう。左腕を負傷している稀勢の里では、右脇を固められたら左を差せない。そこで突っ張りですよ。嘉風のみならず、普段突っ張らない稀勢の里が押し相撲を選択すれば、相手も面食らうはず。そこで隙を生じさせれば、左を差すチャンスも生まれてくる」
負傷直後の3月場所千秋楽では、“らしくない”立ち合い変化で照ノ富士に勝ち、賜杯をもぎ取った。突っ張りは起死回生の一手となるか。