シアトルで奮闘 川澄奈穂美の強みは「絶妙なベテラン感」
チャレンジャーの塊のような川澄には、日本で培ってきた確かな技術と素早い判断力がある。さらに研ぎ澄まされ、それが川澄のプレーを押し上げた。
「絶妙なベテランっぽさ、出せてましたか?」
試合後の川澄は笑みを浮かべながら、充実した表情を見せた。
「ここ(米国)では、常にチャレンジャーの姿勢を前面に出していかないとダメなんです」と話す川澄。時折ピッチで見せる“ベテラン的な”プレーが小粋に映る。
「ラピノーは『ワタシが行く!』という、いわゆるアメリカスタイル。誰かが“状況判断”しないといけない。それを私が加えることでチームはさらに強くなれる」
アメリカ代表のエースを“使いこなし”ながら自分自身も輝く。持ち味は変えず、それでも変化を遂げようとするたくましい川澄の姿がシアトルにあった。なでしこジャパンに彼女の力が必要となるのも、そう遠い日ではないかも知れない――。
(フォトジャーナリスト・早草紀子)