作新下した盛岡大付・関口監督に聞く寮生活と指導の変化
――寮でケンカはないですか?
「見えないところであるのかもしれません。今は自分たちで解決できない子が多い。自己解決能力がないので、大人が介入しないといけない。あと、根に持つ子が多いので、冬のミーティングでは『とにかく男らしくなれ。男っていうのは自分が間違えたときに正直に言えること、ごまかしたり言い訳をしないこと』と。なかなか全員に行き届かないですけど、そういう人間にだけにはなってほしくない。そのために冬は映画を見せることもあります。必ず見せる映画があって、3年間のうち10回以上は見せると思う。『出口のない海』という戦争映画です。今回も甲子園出場が決まってから、山口の人間魚雷『回天』の記念館にみんなで行きました」
――映画を見せるのはいつごろから?
「6、7年前からですね。野球をやりたくてもやれない環境と今を比べてみなさいと。自分が死ぬことで周囲が幸せになるという考え方についてどう思う、特攻に行けるヤツは手を挙げてみろと聞くんですけど、数年前にひとり、大谷くんを破った代のキャプテンが『俺が死んで甲子園に行けるんだったら、それでもいいです』と。今年はひとりもいなかったですね(笑い)」