広陵・中村は異色の“出たがり型” 流しのブルペン捕手絶賛
先の甲子園では試合前のボール回しや試合中の一、二塁への牽制のたびに球場がどよめいた。在京球団の編成担当者に言わせると、「まるでネット裏の我々に肩の強さをアピールしているかのようだった」そうだ。
流しのブルペン捕手として知られる、スポーツライターの安倍昌彦氏はこう言った。
「彼はサインを出してから、ミットを構える前にひと仕事する。スライダーのサインを出したら曲がり具合を計算、ミットでここからこう曲げてこいと示してから構えている。球種によって三塁手を前に出したり、二塁手を後ろに下げたり……投手が緊張していれば大きく輪をつくるポーズを取ってリラックスさせてから構えています。ピンチになるたびにベンチからの伝令を待つ捕手が多い中、自分から積極的に動ける選手です。取材をしてもこちらが質問して彼が答えている時間より、彼が質問してこちらが答えている時間の方が長いくらい。取材後にグラウンドから校門まで、徒歩で10分ほどかかる距離を見送りにきてくれたのですが、その間も歩きながらいろいろと聞いてくる。捕手が好きで好きで、仕方がないのでしょう。知りたがりというか、研究心、向上心はとにかく旺盛です」