3横綱が初日から休場の異常事態 4横綱時代なぜ続かない?
そして日馬富士(33)しか残らなかった。10日に初日を迎える9月場所。稀勢の里(31)、鶴竜(32)に続き、白鵬(32)も8日に休場を発表した。3横綱が初日から休場するのは昭和以降初という異常事態だ。
4横綱時代は戦前から数えれば現在で16度目だが、それらすべてを合わせても計76場所。栃錦が活躍した55年から58年にかけての14場所が最長で、4横綱全員が皆勤した場所となると、過去11回しかない。千代の富士、北勝海(現八角理事長)らがしのぎを削った90年11月場所が最後である。貴乃花(現理事)、曙らがいた99~00年の4横綱時代は、初日に全員が揃い踏みしたことすら1回だけ。わずか5場所で終焉となった。
稀勢の里の昇進で今年3月場所から4横綱となったが、すべて皆勤したのは日馬富士のみだ。
相撲評論家の中澤潔氏は「4横綱全員が皆勤できないのも無理はない」と、こう話す。
「自分以外に横綱が3人もいるとなれば、お互いに頼り合う意識も出てくる。『自分が休場しても誰かがいるから……』と、責任感が希薄になってしまうのでしょう。逆に1人横綱は過酷ですが、常に緊張感を保たざるを得ないので、意外と安定した成績を残す傾向がある」