稲葉Jの初陣敗戦危機救う “2世”上林に指揮官ゾッコン
侍ジャパン・稲葉監督の初陣。アジアプロ野球チャンピオンシップの韓国戦(16日=東京ドーム)は、4―4で迎えた延長十回、「稲葉2世」こと上林誠知(22)が窮地の指揮官を救った。
主導権を奪えない苦しい試合展開。タイブレーク(無死一、二塁でスタート)に突入した十回表、7番手で登板した又吉(中日)がつかまり3失点。その裏、先頭の4番・山川(西武)が倒れて敗戦ムードが漂う中、続く上林が右中間スタンドへ起死回生となる同点3ラン。一気に流れを引き戻すと、2死から西川(広島)がつなぎ、最後は田村(ロッテ)が4時間29分の激闘にケリをつけた。
「選手が見事。上林は安打でつないでくれればと思っていたが、まさか本塁打とはね」
顔を紅潮させて勝利の美酒を味わった稲葉監督は、このヒーローについて大会前、「彼と心中する。走攻守3拍子が揃っていて、20年(東京五輪)に向けても考えている選手」と話していたほどゾッコンだ。仙台育英高から13年ドラフト4位でソフトバンクに入団。4年目の今季、自己最多の134試合出場で打率・260、13本塁打、51打点とブレーク。この日は、稲葉監督の現役時代と同じ右翼を守り、強肩も披露した。
球場には3万2815人の観衆が詰めかけ、TBSが試合終了まで地上波で放送した大事な初陣で負けるようなら、ファンに格好がつかなかったはず。上林サマサマである。