証言バラバラ野放し 日馬富士暴行を収拾できない協会の愚
事件発覚から5日。横綱日馬富士(33)による平幕貴ノ岩(27)への暴行事件の真相は、いまだ判然としない。事実関係を最も良く知る加害者と被害者の肉声はまったく聞こえず、関係者の証言は食い違っている。誰がウソをついているのか、そこに真実はあるのか。
「ビール瓶殴打」の一報を受け、真っ先に“詳細”を語ったのは、3000キロかなたの母国モンゴルに拠点を置く元小結の旭鷲山(44)だ。同席者から聞いた話として、「態度が悪いとビール瓶で1回だけ思いっきり殴ったらしい」「突然ビール瓶を持ってバンバン叩いた」などと証言。これを補足する形で、生々しい状況説明をしたのがモンゴルで暮らす貴ノ岩の実兄ルブサン・アディヤ氏(45)だった。テレビ局の取材を連日ハシゴ。事件2日後に貴ノ岩とテレビ電話で通話したとし、「(日馬富士は)ビール瓶やリモコン、あるものを手当たり次第につかんで殴った」と怒りをブチまけた。
現場には白鵬(32)と鶴竜(32)の両横綱らも同席。当初、沈黙を守っていた白鵬が「ビール瓶では殴っておりません。馬乗りの事実はない」と口を開くと、ルブサン氏は「ビール瓶だとは言ってなかったけど、飲み物全部の瓶で殴ったということでしょう」「散々殴られて気絶したと言っていました。最後には顔や頬から血が流れていたそうです」などと修正。その一方で、「弟は10針以上縫った頭の痕を見せてくれた。耳たぶが破れている所など全部見た」「頬が切れ、鼓膜が破れていた」とボルテージを上げた。