3年4.5億円で合意 今季11勝FA野上は巨人で“貯金”作れるか
西武からFA権を行使した野上亮磨投手(30)が1日、巨人に入団することで正式に合意した。都内のホテルで最終交渉を行い、「合意させていただいた。飛び込んで来いという言葉がうれしかった。(FA宣言から)5キロ痩せました」と笑顔を見せた。
野上は今季、11勝10敗、防御率は3.63。3年総額4億5000万円の条件を提示した鹿取GMは「11勝の評価」の他に、「直球の回転数」を挙げている。同僚だった菊池雄星と同等か、それ以上の数値で、12球団一という巨人のエース菅野にも迫る値だというのだ。「ウチには断トツの数値を誇る菅野がいるけど野上もいい」と補強の理由を説明していた。
が、菊池や菅野級の投手かといえば疑問符が付く。古巣・西武の球団関係者は「今年だって一年を通じて安定していたわけではありませんよ」とこう続ける。
「例えばCS争いが佳境に入った9月は2勝2敗。内訳は勝った試合は完封、7回2失点とまずまずなのに、負けた試合は四回途中8失点、五回途中6失点と大炎上を繰り返した。低めに決まるか高めに浮くかで、結果は天と地ほど違う。試合中に修正できるほど器用でもないから、ダメな日は歯止めが利かない。11勝しても10敗する投手。昨年は3勝9敗で中継ぎに配置転換された。ハマればいいが、安定した活躍を求めるのは酷。正直なところ、投げてみないと分からない投手という評価だった。年間を通じてローテを守る力はあるが、炎上が続いた時に巨人は我慢できるかですね」
巨人の鹿取GMは「フィジカルが強くて球の質も良い。ローテーションを守ってくれれば、ある程度勝ち星はついてくる」と太鼓判を押すが、「菅野に次ぐ投手」などと過度な期待は禁物である。