貴ノ岩に被害者感情なし 貴乃花親方「弟子を守る」のウソ

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 それもこれも、貴ノ岩に被害者感情がないとすれば、すべて腑に落ちる。そもそも、貴ノ岩と日馬富士の関係は良好。事件直後の鳥取巡業で両者が握手をしていたのは、多くの力士や関係者が目撃している。貴ノ岩自身も師匠の方針とは裏腹に、あくまでモンゴルコミュニティーの一員という意識が強いという。警察の聴取に「恨みつらみを言ってない」ということは、それらがすべて事実だという裏付けになる。

 もし、貴ノ岩が協会の聴取に本心を明かせばどうなるか。これまで貴乃花親方は散々、被害者だ、公正な裁きを、と主張し、「弟子を守る」とも言ってきた。だが、フタを開けてみれば拳を振り上げているのは師匠だけ。それどころか、貴ノ岩を師匠とモンゴル勢の間で板ばさみに追い込み、苦しめているのは貴乃花親方自身ということになる。これまでの言動すべてに矛盾が生じるのだ。

 だからこそ、貴乃花親方は弟子の聴取をかたくなに拒否している。貴ノ岩には「同郷の横綱に殴られ、今もなお、心身ともに苦しんでいる被害者」でいてもらわなければ、都合が悪いのだ。


■結局は私利私欲

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