復活目指す阪神・藤浪 今季占う“死球1発目”後のメンタル
ブルペンだけでは分からない。
昨季の藤浪は制球難から登板11試合で3勝止まり。二軍にも落ちた。1月は米国で、ダルビッシュやドジャースのエース、カーショーと合同トレを行い、肉体と投手脳を鍛えた。
キャンプ初日からブルペンに入り、打席に人を立たせて、早くもクイックモーションでも投げている。真っすぐには力もあり、その投球を見る限り、59イニングで45四球、8死球という昨年の数字は嘘のようだ。
しかし、藤浪の投球を見たあるOBは「ブルペンだけでは信用できない」と、こう続けた。
「昨年は、4月にヤクルト畠山への顔面死球で乱闘劇を招き、内角へ投げられなくなったが、14年はリーグ最多死球(11個)で2ケタ勝っている。しかも15年は、四死球がともにリーグワースト(82個、11個)でも、4完封を含む14勝で奪三振のタイトルも取った。これが藤浪本来の姿です。昨年は、打者に当ててはいけないという心理から逃げの投球になり、内角へ投げるときは拒否反応のためか、よくすっぽ抜けた。今後注目すべきは、実戦で打者に一発当てた後です。肩や脇腹などにぶつけても、ケロリとして内角に投げ続けることができなければ完全復活は遠いでしょう」
そもそも荒れ球が武器とはいえ、打者にとって嫌な投手だ。