求心力ガタ落ち 貴乃花一門が阿武松親方に乗っ取られる日
事実上の「阿武松一門」と言っても差し支えないのではないか。
さる2日の理事候補選で惨敗した貴乃花親方(45)。同じ貴乃花一門から出馬し、当選した阿武松親方(56=元関脇益荒雄)に票を回したことで「覚悟の敗戦」と解説されている。
しかし、敗北は織り込み済みでも、選挙によって求心力が落ちたのは否めない。無所属の3票を含めて11票の基礎票があった貴乃花一門からは、出羽海一門に所属する山響親方(47=元前頭巌雄)に2票流れた。一部報道によれば「山響親方は同志なので票を回しただけ」とあるが、事実は異なる。かつて盟友だった両者は、今回の選挙前に決裂。山響親方は現在は体制派に寝返っている。つまり、票は回したのではなく「奪われた」のだ。
一門内の親方衆も、そのほとんどが阿武松親方を支持している。貴乃花親方が「票は譲る」なんて言わずとも、2人が同時に選挙に出れば結果はおのずと決まっていたというわけだ。
■報道陣の懐柔にも長ける
阿武松親方は角界では「ぶっ壊し屋」と呼ばれており、過去に所属した二所ノ関一門を裏切り、貴乃花一門に移籍。10年に世間を騒がせた野球賭博騒動では、自身の部屋が賭博の温床となっていた。にもかかわらず、同一門内の人望は厚い。