投手や監督を錯覚させる キャンプのブルペンには落とし穴
だから私は、指導者時代も今も、キャンプのブルペンでは、投手の真正面や真後ろでは見ないようにしている。正対してその投手に惚れ過ぎないため。斜め横に陣取り、思考も斜に構えて見るのが肝要だ。投手は、実際のマウンドで結果を出してナンボ。練習で150キロを投げても、試合で通用しなければ、なんの意味もない。
ブルペンは投手本人だけでなく、監督も錯覚させる。特に野手出身監督は、ダマされることが多い。鳴り響く捕球音にすっかりその気になって、「あれはいいな」「こいつは使えるな」と喜ぶ姿を見るたび、私は苦笑いを浮かべたものだ。
今、沖縄にいる。今年のキャンプ巡りでも、ブルペンでは斜め横から投手を見てくる。