賞金は交通費に…カー娘たちを取り巻く厳しい競技環境
初のメダルが期待されている女子カーリング日本代表(世界ランキング6位)。予選リーグ初戦で米国(同7位)、17日には格上のOAR(ロシア=同3位)に勝ち、ここまで4勝1敗と好調だ。
特に注目を集めるのがスキップの藤沢五月(26)だ。選手と作戦を話し合う際の北海道弁が話題。一方で、刻々と変化する氷の状態への対応力、ストーンの操縦技術も評価されている。
藤沢は保険代理店で事務の仕事をしながら競技を続けている。日本のカーリングを取り巻く環境が恵まれていないからだ。主な活動はワールドツアー(WCT)への参戦。順位に応じて賞金は出るものの、他の競技に比べると決して多くはない。
例えば、今大会の日本代表チームであるLS北見は昨年、WCTの大会に採用されている「どうぎんカーリングクラシック」と「軽井沢国際」で優勝した。共に優勝チームは100万円。リザーブを含めた5人で割ると1大会1人当たり20万円。準優勝で60万円、3位でも40万円が出るが、海外の大会となれば賞金のほとんどは交通費で消える。
藤沢が2009年から約5年半所属した中部電力は、ソチ五輪代表を逃したのを機に、競技に注力しないと方針転換。藤沢は本橋麻里(31)の誘いでLS北見へ移籍した。そのLS北見も実業団ではないため、チームを結成した本橋がスーツに身を包んでスポンサー探しに汗を流した。