専属トレーナーが語る 高梨沙羅「イエスマン」からの卒業
25日、「女性アスリートのためのコンディショニングセミナー」(エムティーアイ主催)で、スポーツトレーナーの牧野講平氏が教壇に立った。
牧野氏はスキージャンプ女子で銅メダルを獲得した高梨沙羅(21)の専属トレーナーだ。
高梨と牧野氏の出会いは7年前、高梨が14歳のときだった。疲労でスネが痛くなるシンスプリントの影響で練習がうまくできないと相談されたのが最初だったという。高梨の性格を「クソ真面目」と言う牧野氏は、「逆に言えば、臨機応変ではなく事前準備をしっかりするタイプ。最初の頃は『イエスマン』だった」と明かす。しかし、4位でメダルを逃したソチ五輪後から高梨は変わったという。
「コーチと相談して自立を促すようにしました。今では練習スケジュールも練習内容もある程度は自分で決める。トレーニング内容も8割は僕がつくり、“2割は自分で考えて好きなことをやりなさい”というふうにしています。それ(高梨の提案)に対し、僕が専門的なアドバイスをする。
例えば、突然『バレーボールをやりたい』と言い出したときも、(スキー)ジャンプへの『意味』を見つけてあげたり。ジャンプは座って立つという単一な動きの中でも、風が吹いたり雪の状況が変わったりすると応用力が必要になる。単純に陸上で立って座ってを繰り返すだけじゃ身につかないので、ボールに合わせて突発的に動くこともジャンプにつながる。ここ1、2年は自分で自分のことを対処できるようになって、自分のコンディションを把握して対策もできるようになった。全然違う選手になりました」(牧野氏)
4年後はどこまで成長しているか。