親方衆は6連続休場に理解も 稀勢の里に年内引退の可能性
これでもう、後には引けなくなった。
8日、横綱稀勢の里(31)が3月場所を休場することが明らかになった。報道陣に対応した師匠の田子ノ浦親方(元前頭隆の鶴)は、
「横綱から『ちゃんとした形で土俵に上がりたい』と話があった」
と説明。昨年3月場所で負傷した左胸のケガも、まだ完治していないという。
これで稀勢の里は横綱として02~03年の武蔵丸(現武蔵川親方)以来となる、6場所連続休場が決定。不名誉には違いないが、その中身はだいぶ異なる。
武蔵丸は休場した6場所中、途中休場は2場所のみ。一方、稀勢の里の途中休場は4回もある。つまり、この和製横綱は昨年3月場所のケガ以降、見切り発車でずるずると出場を続けるも力を発揮できず、「このままだと負け越しそうだから……」と、休場を繰り返してきたのだ。
■貴乃花の例も…
自分の状態を把握できない横綱の姿には、親方衆からも批判の声が出ていた。それだけに今回の決断には、非難よりも「それでいいんだ」という理解の声が圧倒的だ。これで稀勢の里の力士生命が延びたことは事実だが、それも長くはないだろう。確かに3月場所の休場は理解されても、これが5月場所もとなればどうなるか。