調子上がらぬ大関高安 停滞は兄弟子・稀勢の里への“忖度”
親亀こけたら、皆こけた――。
大関高安(28)の調子が一向に上がらない。7日は出稽古に赴くも、まだまだ万全とは言い難い状態。6日の二所ノ関一門の連合稽古では玉鷲に押し込まれ、本人も「体が仕上がってない」と漏らしていた。
昨年1月場所から3場所連続で2ケタ勝利を挙げ、大関に昇進。立ち合いの圧力と強烈な突き押しを武器にし、角界では「横綱昇進も見えてきた」と評判だった。
しかし、大関として初めて臨んだ7月場所は9勝6敗。その後は右足を負傷し、2場所連続途中休場。ケガ明けの今年1月場所は12勝3敗と力強さを取り戻すも、前半戦で3敗し、優勝争いには絡めなかった。
昇進直後のケガという不運はあるものの、それにしても往時の勢いはどこに行ったのか。今の高安からは、成長が停滞している印象すら受ける。
ある親方は「稀勢の里の状態に引きずられている」と、こう話す。
「田子ノ浦部屋の関取は稀勢の里と高安の2人のみ。ただでさえ出稽古無精の上、部屋で稽古相手になるのはお互いだけ。横綱昇進以降、故障だらけの稀勢の里を相手に高安が全力を出すわけにはいかず、稽古にすらならない。もともと、兄弟子との稽古には気を使うとあれば、なおさらです」