体調不安でも結果 伊調馨のピーキングを国内ライバル警戒
日本協会の栄和人強化本部長(57)によるパワハラ騒動を尻目に、女子レスリング日本代表が団体戦で争う国別対抗戦W杯(17~18日=高崎)に向けて都内で強化合宿を行っている。
今大会の代表メンバーの中量級(57~62キロ)の選手は、伊調が復帰した際には当然、ライバルとなる。いずれも「打倒伊調」を目標に掲げて日夜、厳しい練習をこなしている選手ばかり。そのライバルたちが、伊調の復帰を警戒しているという。
伊調の調整能力の高さは折り紙付き。これまで世界選手権、五輪などの国際大会に向けてピークを合わせてきた。2014年11月に最愛の母・トシさんを亡くすと、そのショックから立ち直れず、しばらくレスリングから遠ざかった。調整不十分のまま同年12月の全日本選手権に臨みながら、危なげなく優勝。年が明けてからも練習に身が入らず、9月の世界選手権も同様に調整不足で出場したものの、10度目の頂点に。コンディショニングを懸念する周囲の不安をよそに、結果を残した。
伊調は必ずしも万全の状態で試合に臨める保証はないという過去の経験から、常に最悪のコンディションを想定して練習してきた。