体調不安でも結果 伊調馨のピーキングを国内ライバル警戒
国際大会に合わせて急ピッチでピークに持っていく調整法も心得ており、栄監督の教え子で、至学館大学の後輩たちも、伊調のピーキングを警戒しているのだ。
■論理的に技を繰り出すタイプ
伊調はリオ五輪を最後に実戦から遠ざかっている。スタミナや筋力の衰えを指摘するレスリング関係者の声もある。満足に練習を積んでいないのは確かだが、それは相手や環境に恵まれないだけで、基本的なトレーニングは欠かさず行っているそうだ。実戦感覚は鈍っても、基礎体力、技術は保たれているに違いない。
伊調は国内外のレスリング教室で講師を務める際には、タックルの入り方などを、一から指導している。小学生などの初心者相手に手ほどきすることも多いため「忘れていた基礎を思い出すので、自分も勉強になる」と話している。そもそも伊調は直感的な吉田沙保里とは異なり、論理的に技を繰り出すタイプだ。復帰した際には、持ち前の調整力の高さに加え、さらに頭脳的になった試合運びで、栄監督の教え子たちと好勝負を演じるかもしれない。
なお、伊調はこの日、パワハラ問題に関して内閣府の聞き取り調査に応じたという。関係者が明らかにした。