病気リタイアの心境吐露 清宮1軍復帰の近道は“急がば回れ”
「情けなかった」
清宮幸太郎(18)は、限局性腹膜炎から練習を再開した25日に、こう言って複雑な表情を浮かべた。入院中の病床で一軍の試合をテレビで見ながら、「本当はそこにいなければいけなかったのになと思いながら過ごした」と言う。
清宮は沖縄キャンプ中に胃腸炎になったときから腹が痛かったそうだ。その際は翌日から練習を再開し、練習試合、オープン戦に出続けた。本人はやれると思っていたようだが、体が悲鳴を上げた。
清宮は少々のことでは「無理」を「無理」と思わないところがある。1月に阪神の金本監督が野球殿堂入りした際に、「ケガをしても出る金本さんを見て、試合に出続ける熱い気持ちを大切にしないといけないなと思った」と話していたし、高校1年時の「U18」ではこんなこともあった。
「左膝の状態が良くない中で、本人はいけると思ってテーピングを施して試合に出場した。ところが試合中に痛みが引かず、途中交代せざるを得なくなり、首脳陣は冷や汗をかいた。大ごとには至らなかったものの、清宮には『ケガの状態が良くないなら早く言わないといけない』と注意をしたそうです。常に試合に出たい、活躍したいという欲は大事ですが、今はまだ、体も技術も気持ちに追いついていない。オープン戦では19打席無安打と結果が出ず、2週間の入院生活を強いられた。清宮が遅れを早く取り戻したいと焦ったり、通常の練習に戻って何か変調をきたしたとき、“ヤセ我慢”は禁物です」(球界OB)